透明境界線

生きていく。詩を書く。

2018-03-12から1日間の記事一覧

林檎

風邪をひいた夕べにキッチンから聞こえてくる何かを擦る音倦怠の体を座椅子にゆだね、目を伏せる母が無言で机上に置いてきた林檎わたしは何も言わずに齧り付く時間をかけてつよい酸味と水分がじんわり体に浸透する(沈黙)なにも言葉を発しない母橙色の木漏…