透明境界線

生きていく。詩を書く。

なんにもないのだから

泣きたい時に思うように涙が出なかったり、辛い時に辛いと誰かに言えなかったり、そんなことはだいたい一日に一度ある。私たちエスパーじゃないから、人の本当の気持ちなんて1ミリも理解できない。だいたい分かったつもりでいる。誰かにそれを言ったとして、その相手になにを分かってもらいたいのだろう。同情してもらいたいわけではなくて、共感されても辛いままで、それは、きっと、黙って抱きしめてもらいたいだけなのかもしれない。泣いたからって楽になるわけじゃない。涙が延々に止まらないときなんて呼吸が苦しくなるし、鼻水が止まらないし、目は腫れるばかりで泣き疲れて見る夢、それはだいたい穏やかなものじゃないし。
明けない夜ってあるの?明ける夜、明けない夜の両方があると思う。それほど長く続かない苦しみと、死ぬまで永遠と続く苦しみのふたつ。人生イージーモードの人に分かってたまるか。分からなくていい、少しだけ分かって欲しくはあるけれど。きっと、経験してきた苦しみの度合いが違うのだから、どっちみち分からなそうだけど。

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私たち、どういうわけだかここに生まれてきてしまった。それでいつか順番などまるで関係なしに死んでいくそうだ。何一つ同じものを持たず、この国で、生かされているらしい。自殺してもニュースにすらならないんですって。何が素晴らしい命、かけがえのない命だろう。もう私たちは世の中の綺麗事に耳を貸さなくていい。もがいて、泣きべそかいて、苦しみながらせめて時々笑って生きろ。