透明境界線

生きていく。詩を書く。

2016/10/23

オリオン座が見えたから、明日も笑っていたいと思った。東京の夜空が時々澄むのは希望。
深い夜中の12℃。
眠気まなこで分厚い掛け布団をかける
生まれてきてから何度も経験する秋と冬の狭間に対して
一昨年は睨んで
昨年は泣いて
今年のわたしはどうなるの
悩むくらいなら はやく寝なさいと
あの人の声が耳を通過した

夢の中で
わたし 時々 無邪気な脇役になる
目覚めたらすっかり忘れる
あれはおとぎ話

玄関を出て歩き始める
上を向いたら曇り空
こんなもんだよわかってる
近所に香る金木犀の命が残りわずかだから、大きく深呼吸をし、体に残す。

今日も
わたしはわたしを歩いていく
人混みを上手にかきわけながら