透明境界線

生きていく。詩を書く。

愛するペットの死

梅雨のどんよりとした湿度と梅雨寒を繰り返した今年の7月17日。私の飼っているベタのてんちゃんが亡くなった。
水槽を小さなものから大きめの水槽に変えて二週間後くらいしてから、てんちゃんは痩せてきた。餌も食べる時とそうでない時があり、土管に入りっぱなしだった。
17日火曜の昼、てんちゃんはいつも通り餌にパクついた。ただ明らかに全身を使ってえら呼吸をしていて、口もぱくぱく、たまに水面にあがって空気を吸い込んでいる仕草。急に弱りきった姿を見せて、私は「今日が峠なんだな」と悟った。
てんちゃんは私が水の中に指を入れるといつも嫌がっていたのに、この日は指にキスをしてくれた。夕方、小さな容器にてんちゃんを移し替えた。体から毒が抜けたら回復すると、最後まで信じていたから。けれど、それは叶わなかった。私のバカで大きなミスも犯してしまい(これはあまりにも言いづらいので、まだ記事には書けない。)
18時頃、てんちゃんは星になった。
多肉植物カランコエに土葬した。てんちゃんは今、カランコエのなかで眠っている。

 

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てんちゃんと出会ったのは、今年一月のはじめ。
ペットを飼いたくなり、大家さんに電話で相談をした。
「ハムスターは齧るからだめ、熱帯魚は大丈夫」と許可を得て、ペットショップのベタコーナーで一番元気に泳いでいるてんちゃんを家に迎えた。一度も亀以外の魚を飼った経験のない中で、毎日試行錯誤をしながら。苦しい時も、何もかもがうまくいかない時も、嬉しい時も、いいことがあった時もどんな時もてんちゃんは私のそばにいて、泳いでた。そばにいて、元気付けてくれていた。だからこそ、てんちゃんが死ぬなんて、こんな世界があっていいものだろうかと考えるんだ。悲しい。虚しい。心にぽっかり穴が空いた。
昨日一昨日までは、私にペットを飼う資格なんかないとか、私が殺したんだと思っていた。だけどそれは違うと今、悲しみのなかで少しはそう思えるようになってきている。ひとつの命が消えた。てんちゃんから、たくさんのことを貰って、学んだ。だから悲しんでばかりじゃなくて、ありがとうも言わなきゃ。小さな大好きな、命だったから。

てんちゃんありがとう。

 

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